一般海域及び港則法と間違いやすい小型船舶の特定海域での交通の方法

ボート免許では陸上での道路交通法に相当する法令などの規制による走行方法に関する知識も問われます。ボートをはじめとして各種の船舶が航行する海域には一般海域と特別海域の二区分の規制が存在しています。一般海域はいわゆる港則法の規制を受けることになります。港則法は港湾内の船舶運行と整理を目的に航行方法の基本ルールを定めることを目的にした法律。モーターボートなどのボート免許で操縦可能になる船舶の一部は、航路航行義務を負わないなどの督促が設けられています。また一般的な航行上の義務として、航路航行中優先の原則が規定されています。

航路航行中優先の原則とは、現在航路を航行中の船舶に対して、路線変更して航路に入り込むなどして途中航行を妨げてはならないとするもの。また航路内にあっては投錨が禁止されています。航路に投錨することは停泊することを意味し、運行を妨害することになるからです。また港湾内での並列航行や追い越し禁止や右側航行の原則なども、港則法では規定されています。

これに対して特定海域では若干ことなる運行ルールが規定されているのです。ここに特定海域とは、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海のいずれかのエリアを指します。一般海域に比較すると船舶の往来が頻繁かつ大量にあるので、特別の交通方法を定める必要があることをふまえて海上交通安全法という特別法が優先されて適用されています。特定海域にあっては船舶のなかでも巨大船と漁ろう船のカテゴリーの特性を配慮し、特別の交通方法が妥当するとされています。特定海域においても航路航行中の船舶の通行が優先されるのは同様です。ただし航路へ出入りや横断を試みようとしている場合に、漁ろう船(漁船や工事を行っている船舶)は保持船、つまり追い越されることを受忍する必要があります。逆に漁ろう船といえども、航路航行中の船舶が巨大船(全長200m以上の船舶)の場合が、巨大船が保持船になるわけです。そして巨大船が航路内航行しているときに限って優先して航行することが認められているのであって、航路への出入りや横断しようとする場合には、優先することは認められていません。また一般海域と異なって帆船の航行が優先される規定も存在していないわけです。さらに巨大船の場合には通常の灯火のほかに、特別の信号灯(毎分180-200回点滅するもの)を装備することが必要です。信号灯を特別に加えて設置するのは、特定海域の往来の数の多さに着目してのことと言えます。